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EV車にコンバートする前に


2009年「CO2を2020年までに25%削減する」という政府が掲げた目標に、2010年、日産のリーフや、三菱I-mievを発売を機に、世間の電気自動車への関心が高まりつつあります。
今後、充電所のインフラ化、EV車の補助金制度の充実、技術開発の向上と、さらにEV車普及に向けての本格的な取り組みが期待されています。

そんな最中、廃車寸前のガソリン車を電気自動車として再利用するといった「コンバージョンEV」に、今注目が集まり、地球環境にやさしい新たなエコ事業(市場)として、メディアでも積極的に報じられています。
「コンバージョンEV」事業は、大手メーカーではなく、全国の地場産業が主役となり、地方経済の活性化への効果が大きく、これまで「縁の下の力持ち」であった、町の自動車整備工場、ガソリンスタンド、自動車解体業者などが、EVビジネスへの新規参入に意欲的に動きはじめました。

コンバージョンEVへの誤解

上記のような参入業者が急増していく中、現在改造EV製作を手がけておられる業者さんに取材したところ、一般の方からのコンバージョンEVに対しての問い合わせを頻繁に受けるそうですが、コンバートEVに関して、現実離れしたイメージを抱いている方が多く見受けられるそうです。

メディアで改造費用およそ100万円で製作出来ると報じられると、全ての車種が100万円で出来ると思われがちですが、実際は車種によっては、それ以上、倍以上かかるものもあり、車種が大きくければ、それなりのパワーを求められるので、モーターなどの部品も高価になります。場合によっては実用的ではないものもあるそうで、っくり試算して100万円というのは、軽自動車クラスの車両で、エアコンなし、パワステなし、MT(マニュアル車)で、鉛バッテリーなので、航続距離も40キロ程度の性能しかありません。

なので、100万円の費用は、ナンバープレートを取得し、車を電気で走らせる最低限の費用を考えてください。また、車種によってはそれ以上の費用がかかる場合があります。

もし、上記のパワステやエアコン、AT車をご希望される場合は、別途料金がかかります。また鉛バッテリーからリチウムイオン電池に替えれば、航続距離も200キロ位は伸びますが、現在リチウムイオン電池がまだまだ高価で、料金にプラス100万円~ほど加算されます。

また、航続距離が平坦な道で仮に40キロであっても、例えば上り坂、雪道、渋滞など走行環境によって航続距離も異なります。また夜間ライトで走行したり、クーラーや暖房をつけての走行など、電気消費が増えれば、それが走行距離に反映します。

というところで、安い予算で実用的に電気自動車を使用するのであれば、なるべく軽い車両のほうが、航続距離も長く乗ることが出来ます。

現在の段階では、コンバートEV車は、近場の買い物など「街乗り車」としての用途にはとても実用的ですが、長距離走行や高速走行には、実用には不足しており、まだまだ課題が残る状況です。

今後、リチウムイオン電池の性能アップとコスト低減が求められています。

    コンバートEVの現実

  • 改造費用100万円は、車を電気で走らせる最低限の費用。
  • 改造費用およそ100万円は、軽自動車でエアコンなし、パワステなし、マニュアル車に限る。(上記を付けると別途料金がかかります。)
  • 航続距離は、走行環境や車両によって大きく変わる。
  • 現在のところはコンバートEV車は近場の「街乗り車」限定。
  • リチウムイオン電池の性能アップとコスト低減が今後の課題。

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2011年5月8日

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